EXHIBITIONS

今村源「流れること / 留めること」

2021.06.05 - 07.03

今村源 plan drawing 2021 ©︎ 2021 Hajime Imamura & Gallery Nomart

 関西、そして日本を代表する現代美術作家のひとり、今村源。1980年代前半より制作活動をスタートさせ、いずれにも寄らない独自の哲学的作風で早くから注目を集め、多方面から支持を得てきた。

 ギャラリーノマルでの個展は2017年以来4年ぶりの開催。本展は、グレーに着色された針金を素材に、平たく成型された様々な生物のかたちをした無数の彫刻が一本の糸でつながり、ギャラリーの壁面のあらゆる場所で回転するユニークなインスタレーションと合わせて、作家初となる映像を用いたこれまでにない構成となる。

 また今回のテーマ「流れること / 留めること」から発案されたインスタレーションに用いられる、彫刻作品を素材とした新作版画も同時に発表。ユニークな表現を見せる作品の数々には、作家の深い想いが込められている。

「こと彫刻に目を向けるとやはり流れるものの形象を追い、それを留め置くことに必死になって立ち向かっているともいえる。手のひらに一瞬溜め込まれたように見える水のごとくその一瞬の快感を求めて終わらない鋭意がつづく。でもそろそろ流れる方向へと、それこそ流れていっても良さそうであるのだが、この留め置くことはなかなか手強い(本展に寄せたコメント「流れることと留めること」より、今村源)」。