EXHIBITIONS

埼玉150周年記念展 埼玉の美術史 1871-1960

2021.06.01 - 06.23

斎藤豊作 初冬の朝 1914 埼玉県立近代美術館蔵

大久保喜一 実験室 1922 埼玉県立熊谷高等学校同窓会館「くぬぎ会館」蔵

小村雪岱 春告鳥 1932頃 個人蔵(埼玉県立近代美術館寄託)

寺内萬治郎 画家K君の像  1947 埼玉県立近代美術館蔵

瑛九 希望 1951 埼玉県立近代美術館蔵

 1871年に廃藩置県によって誕生し、2021年に150周年を迎える埼玉県。その節目を記念して、1871〜1960年までのあいだに埼玉で育まれた美術の歴史をたどる展覧会「埼玉150周年記念展 埼玉の美術史 1871-1960」を開催する。

 本展が取り上げる90年間は、明治初期から関東大震災や第二次世界大戦を経て高度経済成長期に至るまで、社会が大きく変化した時代だった。

 埼玉の美術に目を向けると、西洋絵画の流入から始まり、明治・大正期に洋画家の留学が実現し、埼玉県初の洋画団体「坂東洋画会」が結成。また雑誌の挿絵やマンガ、書籍の装丁など出版文化においても美術家の活躍が見られ、関東大震災の発生で画家たちが東京から浦和へ移り住んで「浦和アトリエ村」と呼ばれる地域が生まれた。戦中・戦後の混乱を経て現在も続く埼玉県美術展覧会がスタートし、そして戦後の新しい展開へと、社会状況や美術の大きな流れに影響を受けながら、様々な表現が生まれ、美術家たちのネットワークが築かれている。

 こうした一連の動向は、東京に隣接しつつ穏やかな自然と静かな制作環境に恵まれた埼玉の風土とも深く結びついている。

 本展は、埼玉県立近代美術館のコレクションを中心に埼玉県内の各機関が所蔵する作品資料を展示。90年にわたる地域の美術の歴史をひも解き、その魅力に改めて光を当てる試みとなる。

※新型コロナウイルス感染防止に伴う政府の方針により、会期など変更となる可能性あり。来館にあたっての注意事項・最新情報は埼玉県立近代美術館のウェブサイトへ。