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EXHIBITIONS

絶望を覆すことができない恋を正義とせよ、きみが、死んでも残る花。

2021.07.14 - 08.31

本展メインビジュアル

塩田千春 DNAからの対話 2004 日本美術技術博物館(ポーランド・クラクフ) 
Photo by Sunhi Mang © Chiharu Shiota and JASPAR, Tokyo, 2021

淺井裕介 空から大地が降ってくるぞ 2019
WULONG LANBA ART FESTIVAL 2019(中国・重慶) © Yusuke Asai

潘逸舟 where are you now 2020 日産アートアワード2020(神奈川) Photo by Keizo Kioku

津田直 やがて、鹿は人となる/やがて、人は鹿となる #15 2020
© Nao Tsuda Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

山内光枝 潮汐 2012-2020 © Yamauchi Terue

鹿児島睦作品 Photo by Stefano Massei

最果タヒ 詩になる直前の、アルティアムは。 2020 三菱地所アルティアム(福岡) Photo by Ayako Koga

 三菱地所アルティアムは、最後の展覧会「絶望を覆すことができない恋を正義とせよ、きみが、死んでも残る花。」を開催。タイトルは、出品作家のひとりである最果タヒが、閉館前最後となる本展に寄せて書き下ろした詩の一文からとられている。

 1989年の開館以来、「時代の新しい表現」を紹介する場所として、現代美術を中心に、デザインやファッション、食など、時代を表す幅広いジャンルの展覧会を開催してきた三菱地所アルティアム。訪れる人々がアーティストや作品と一体になり、気軽にアート(art)を楽しむことができるスタジアム(stadium)のような親しみやすいギャラリーを目指して「アルティアム(ARTIUM)」と命名された。

 アルティアムが入居する商業施設イムズは、人と情報の交流拠点となることを目指して設計された。イムズの共用スペースでは開館当初から99年まで、地元作家の公募展「九州コンテンポラリーアートの冒険」(通称・コンポラ)が行われた。これを受けアルティアムでは、91~99年にかけては、コンポラに出展した作家のなかから1名を選出し、「イントロダクション」シリーズと題して個展を開催。以降、アルティアムでは「For Rent! For Talent!」シリーズ(2005〜09)、「Local Prospects」シリーズ(2015〜19)など、地元作家を支援する企画も断続的に開催してきた。

 また、アルティアム開館当時は福岡市がアジア地域を重視した文化政策に力を入れており、野外展示「ミュージアム・シティ・天神」(1990〜2000)でもアジアから多くの作家が招聘され、アルティアムも同様にアジア出身の作家の展覧会を度々開催。福岡の文化発信拠点のひとつとして、意欲的な企画を開催してきた。

 最後の展覧会に迎える塩田千春、淺井裕介、潘逸舟(ハン・イシュ)、津田直、山内光枝、鹿児島睦、最果タヒの7人は、過去にアルティアムで展示し、さらなる活躍を続ける作家たち。三菱地所アルティアムの閉館後も、来場者それぞれの鑑賞体験が、各々の心に長くとどまることを願い、32年間の活動を終える。