EXHIBITIONS

聖徳太子1400年遠忌記念 特別展

聖徳太子と法隆寺

2021.04.27 - 05.23, 2021.04.25 - 06.20

聖徳太子および侍者像のうち聖徳太子 平安時代 1121(保安2年) 奈良・法隆寺蔵 国宝 通期展示

和田貫水筆 聖徳太子二王子像(模本) 1897(明治30) 奈良国立博物館蔵 5月18日~6月20日展示

秦致貞筆 聖徳太子絵伝 第1面(部分) 平安時代 1069(延久元年) 東京国立博物館蔵(法隆寺献納宝物) 国宝 前期展示

灌頂幡(部分)  飛鳥時代 7世紀 東京国立博物館蔵(法隆寺献納宝物) 国宝 通期展示

薬師如来坐像 飛鳥時代 7世紀 奈良・法隆寺蔵 通期展示

塔本塑像 羅漢坐像 奈良時代 711(和銅4) 奈良・法隆寺蔵 国宝 通期展示

 聖徳太子の1400年忌を記念した特別展「聖徳太子と法隆寺」が奈良国立博物館で開催。本展は法隆寺の宝物を中心に、聖徳太子への篤い信仰が生み出した作品を一堂に展観する。

 聖徳太子(574~622)は飛鳥時代に、蘇我馬子らとともに推古天皇の政治を補佐し、仏教を中心とした国造りを行った政治家。冠位十二階や憲法十七条の制定、遣隋使の派遣によって政治制度を整えるとともに、法華経(ほけきょう)・勝鬘経(しょうまんぎょう)・維摩経(ゆいまきょう)の教えを深く研究することで、日本の文化を大きく飛躍させたことが知られている。生前から「上宮法皇(じょうぐうほうおう)」と呼ばれた聖徳太子に対する尊崇は、やがて太子信仰として結晶し、その流れは現在も日本仏教のうちに脈々と息づいている。

 聖徳太子により、607(推古天皇15)年に創建された法隆寺は、奈良県・斑鳩(いかるが)に位置する。739(天平11)年頃に建てられた夢殿(ゆめどの)を中心とする東院伽藍(とういんがらん)は、当時、太子信仰の一拠点となった。法隆寺は建築・美術・文学などあらゆる分野において、日本を代表する文化財をいまに伝えている。

 聖徳太子と太子信仰の世界に迫る本展には、法隆寺の寺宝を中心に、肖像や遺品、飛鳥時代以来の貴重な文化財が集う。

 国宝《聖徳太子および侍者像》の寺外公開は27年ぶり。聖徳太子の500年遠忌にあたり造立された聖霊院の秘仏本尊は、平安時代後期における太子信仰の高まりを背景に制作され、冠を戴き、笏をとる聖徳太子の威厳に満ちた姿を表している。

 また、口もとに微笑ほほえみを浮かべた神秘的な顔立ちや、文様的な裳懸座(もかけざ)などに飛鳥時代の様式美を見る、古代仏像彫刻の傑作《薬師如来坐像》を公開。さらに本展は、1878(明治11)年に法隆寺から皇室へと献納された「法隆寺献納宝物」が、奈良へまとまって里帰りする貴重な機会ともなる。

※新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、内容を変更する可能性あり。開館状況・最新の情報は公式ウェブサイトまで。