EXHIBITIONS

前本彰子展「紅蓮大紅蓮」

2021.04.26 - 05.08

前本彰子 Silent explosion - 夜走る異国の径 1988

 2019年の回顧展、そして昨年の新作発表と注目を集める作家・前本彰子。今年は「紅蓮大紅蓮」と題して、旧・新作を交えた個展「紅蓮大紅蓮(ぐれんだいぐれん)」を開催する。

 前本は1957年石川県生まれ。京都精華短期大学絵画専攻科を卒業したのち、Bゼミスクーリングシステムを修了。86年8月号の『美術手帖』の特集「美術の超少女たち」で平林薫、松井知恵、吉澤美香らとともに紹介された。近年開催されている、1980年代日本の美術動向に焦点を当てた展覧会に取り上げられるなど、再評価が高まっている。

 本展では新作の平面作品と、80年代に発表したドレスの大作インスタレーションを展示。今回の作品について、次のようにコメントしている。

「『紅蓮大紅蓮』とは仏教で言うところの燃え盛る業火の地獄のひとつです。地球規模の未曾有の状況下で、その業火に巻き込まれ流され翻弄される今の我々を、ひとつの時代の風景としてここに表現しました。そこから考えられることは何か。

 まだまだ増殖し続ける感染症菌と、未だ正せぬ大震災の後始末や台風や洪水の爪痕。そして彼の地で起き続ける罪のない人々への制圧と殺戮。地獄の業火のようなこの時代的状況を表すべき作品を、今回は新旧より選んで展示いたします。ご一緒に感じ、考えて頂ければと思います(前本彰子)」。