EXHIBITIONS

牧野智晃 個展「まちをたぐる」

2021.04.24 - 07.03

牧野智晃 Kameido 35° 42' 18.528" N 139° 49' 22.248" E 2020 ©︎ Tomoaki Makino Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

牧野智晃 Sendagaya 35° 41' 0.222" N 139° 42' 10.872" E 2020 ©︎ Tomoaki Makino Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

牧野智晃 Wakagi 35° 46' 8.958" N 139° 40' 33.366" E 2020 ©︎ Tomoaki Makino Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

牧野智晃 Nishikamata 35° 33' 47.094" N 139° 42' 51.774" E 2020 ©︎ Tomoaki Makino Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

牧野智晃 Okubo 35° 42' 15.498" N 139° 42' 11.736" E 2020 ©︎ Tomoaki Makino Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

牧野智晃 Yushima 35° 42' 28.704" N 139° 46' 8.682" E 2020 ©︎ Tomoaki Makino Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

牧野智晃 Oyaguchikamicho 35° 44' 48.006" N 139° 41' 17.688" E 2020 ©︎ Tomoaki Makino Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

 写真家・牧野智晃(まきの・ともあき)の個展「まちをたぐる」がKANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYで開催されている。

 牧野は1980年埼玉県生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。第31回木村伊兵衛写真賞にノミネートされた写真集『Tokyo Soap Opera』(FOIL刊、2005)では、母子家庭環境で育つなかで培われた「母親世代が独自に醸成する特異な世界観」への好奇心から、中年女性を各々の生活空間内で撮影し、ニューヨーク、台湾などの世界各都市でも同シリーズを展開してきた。

 本展で初公開となる「まちをたぐる」は、東京23区内の電柱・電線が織りなす景観を撮りためたモノクロ写真で構成された新シリーズ。牧野は、世界中の先進国のなかでも目を見張るほどの低い無電柱化率を誇る東京に、うえを見やるだけでカオスな風景が広がっていることを示す。その混沌とした様相は一見するとユーモアやおかしみにあふれていながら、のびのびと空中に生い茂る直線や曲線に覆われた都市風景は、社会情勢や悲哀をも滲ませる。

「まちをたぐる」シリーズにおいて、味わい深い場面に社会学的な見地を内在させる牧野の、一貫する眼差しの新境地を見ることができるだろう。

※KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYは緊急事態宣言発令を受け、4月25日〜5月29日まで臨時休業し、6月2日より再オープン。下記にて本展のオンラインビューイングを公開中。
https://my.matterport.com/show/?m=rRE7bMa67D5