EXHIBITIONS

花田和治の世界「自然と対話する」

花田和治 桜のころ 2008

花田和治 海と岩 1999

花田和治 三角山の近く 1988

 軽井沢ニューアートミュージアムが独自の視点でいま、注目すべき作家をクローズアップする企画展シリーズ「今、世界で評価され続けているアジア人作家」。前回に続いて、北海道を拠点に独自の抽象表現を確立した作家・花田和治(1946〜2017)を紹介している。

 花田は北海道札幌市出身。東京藝術大学で小磯良平(1903〜1988)に師事し、油彩画を学んだ。71年に同大学大学院を修了したのち、74年に札幌に戻り、その後、2017年に没するまで北海道で制作を続けた。

 在学中から図形的な絵画を試みていた花田は帰郷後、明るい色面を方形で構成する絵画を手がけ、やがて北海道の自然や自身の日常をテーマに、その本質をシンプルな形態に抽象化する表現を生み出した。晩年には物語を連想させるような描写へと変化し、ユーモラスで叙情豊かな作品を残している。

 本展は、「花田和治の世界」展(2020年11月14日~2021年3月28日)の続編として、前回紹介しきれなかった未公開作品を加え、花田作品の創造性をより深く掘り下げる。

 作家が実際の風景を見ていかに作品を制作していったのか、制作にかける思いや考え方、過程、興味を持った様々なモチーフ。今回の展示ではそれらをデッサンや写真などとあわせてひも解く。