EXHIBITIONS

建物公開2021 艶めくアール・デコの色彩

2021.04.24 - 06.13

東京都庭園美術館本館 大食堂

東京都庭園美術館 外観南面

東京都庭園美術館本館 次室 香水塔

東京都庭園美術館本館 正面玄関 床モザイク

アンドレ・グルー(デザイン)、マリー・ローランサン(絵付)、アドルフ・シャノー(制作) 椅子 1924頃

リュシアン・ヴォージェル(編)『ガゼット・デュ・ボントン』 1924-25

 東京都庭園美術館が「艶(つや)めくアール・デコの色彩」展を開催。年に一度の建物公開展となる本展では、朝香宮邸における「色」を切り口に、朝香宮邸の魅力を伝える。

 フランス滞在中、その様式美に魅せられた朝香宮夫妻は、帰国後に自邸の建設にあたってアール・デコの精華を積極的に取り入れた。当時の最先端かつ最高級の素材や技法を用いて建てられた旧朝香宮邸には、漆喰天井の白色、漆が塗られた柱の黒色、建具に用いられたメタリックカラー、木材や石材の天然色、多彩なガラスが放つ透明感、そして窓辺から望む庭園の豊かな緑と、華やぎと落ち着きを兼ね備えた様々な色彩が存在し、約90年の時を経てもなお人々を魅了し続けている。

 本展では旧朝香宮邸における「色彩」に改めて注目。これまで培った調査研究の成果を公開するとともに、テーブルセッティングといった邸宅空間の再現展示を行い、朝香宮邸の往時の趣を呼び起こす。

 展示作品の大半は同館の所蔵作品で構成され、本館では宮邸時代のオリジナルの家具を中心に、いっぽう新館ではホワイトキューブの展示室に色彩豊かな絵画・工芸品・書籍などが並ぶ。

 展覧会の会期が始まる春から初夏にかけては桜が終わり、新緑が美しい季節へ。緑に囲まれた美術館で、建物公開展ならではのゆっくりとした時間を満喫したい。

※東京都庭園美術館は、緊急事態宣言の発出に伴う東京都の方針に則り、4月25日〜5月31日まで臨時休館。6月1日から再開し、入館には日時指定の事前予約制を導入。最新情報・来館にあたっての注意事項は公式ウェブサイトへ。