EXHIBITIONS

彩られた紙―料紙装飾の世界―

大倉集古館
2021.04.06 - 06.06

藤原定実筆 古今和歌集序(部分) 平安時代・12世紀 大倉集古館蔵 国宝 ※5月6日に巻き替え

賢愚経断簡(大聖武) 奈良時代・8世紀 特種東海製紙株式会社蔵

普賢菩薩騎象像 平安時代・12世紀 大倉集古館蔵 国宝 ※特別公開

東大寺文書屏風(部分) 奈良〜平安時代・8〜13世紀 重要文化財 大倉集古館蔵

本阿弥光悦筆(部分) 詩書巻(絹本) 江戸時代・17世紀 大倉集古館蔵 ※5月6日に巻き替え

平家納経(模本)法華経勧持品第十三(部分) 大正〜昭和時代・20世紀 大倉集古館蔵 ※5月6日に巻き替え

 大倉集古館が企画展「彩られた紙―料紙装飾の世界―」を開催。絵画の紙も含め、料紙を加工した「彩られた紙」を展示する。

「料紙」とは一般に書に用いられる紙を指す。彩られた紙には、湿らせて叩くことで滑らかにする「打紙」、文字に変化を与えるため凹凸に加工した紙、そして、紙に金銀を蒔いて華やかに装飾された紙など、様々なものがある。

 本展では、奈良時代の荘厳な写経である『大聖武』をはじめ、王朝貴族の栄華を伝える『古今和歌集序』や『石山切』、江戸絵画として再評価されつつある大津絵、『平家納経』を精巧に再現した画家・田中親美の模本までを、マイクロスコープの拡大画像とともに紹介。人々の願いや美意識が反映された各時代の料紙装飾に光を当て、託された祈りや夢、そして美の移り変わりを探る。

 見どころのひとつとなる国宝『古今和歌集序』は、布目をつけた紙の上に胡粉を塗り、中国・北宋時代につくられた「唐紙」を、色と文様の組み合わせを工夫して巻物に仕立てたもの。保存状態が良くほとんど裏打ちがされていないため、美しく装飾された料紙の表と裏を観察できる。紙の下に版木をおいて吉祥文様などを擦り出した中国独自の蠟牋(ろうせん)は、日本のものとは異なる珍しさから貴族に好まれ、鎌倉時代には入宋僧である道元などが重要な書のために使用した。

 なお本展ではこれら「彩られた紙」のほか、フランス人間国宝(メートル・ダール)のシルヴァン・ル・グエンによる「扇」も特別公開する。