EXHIBITIONS

グザヴィエ・ヴェイヤン「Chemin Vert」

2021.03.30 - 05.29

グザヴィエ・ヴェイヤン Tony 2020 Photographer: Claire Dorn © Veilhan / ADAGP, 2021 Courtesy of Perrotin

グザヴィエ・ヴェイヤン Richard 2020 © Veilhan / ADAGP, 2021 Courtesy of Perrotin

グザヴィエ・ヴェイヤン Natasa 2019 Photographer: Claire Dorn © Veilhan / ADAGP, 2021 Courtesy of Perrotin

グザヴィエ・ヴェイヤン Rays n°2(Doppler) 2017 © Veilhan / ADAGP, 2021 Courtesy of Perrotin

グザヴィエ・ヴェイヤン Mobile n°2 2020 Photographer: Diane Arques © Veilhan / ADAGP, 2021 Courtesy of Perrotin

グザヴィエ・ヴェイヤン Mobile n°6 2019 Photographer: Claire Dorn © Veilhan / ADAGP, 2021 Courtesy of Perrotin

 パリ在住のアーティスト、グザヴィエ・ヴェイヤンの日本初のギャラリー個展「Chemin Vert」がペロタン東京で開催される。

 ヴェイヤンは1963年生まれ。80年代後半より、立体作品やペインティング、インスタレーション、パフォーマンス、映像、写真と多様な媒体を用いて、古典主義と高度なテクノロジーの両者に触発された作品群を制作し、高く評価されてきた。作家がつくり出す展示空間は、私たちの知覚に一石を投じるとともに、しばしば発展的で歩行可能な空間を創出し、鑑賞者を作品内の「役者」へと昇華させる。その作品は公共の場に展示されることも多く、立体作品はパリ、ストックホルム、ニューヨーク、上海、ソウルなど、フランス国内外の数多くの都市空間の一部となっている。

 日本においてヴェイヤンはこれまでに、1998年に現代美術センターCCA北九州で没入型インスタレーション 《La Forêt》 を発表。昨年には原宿に《La Statue de Harajuku》が常設展示されるなど、作家は日本や日本文化との対話を続けてきた。2002年の初監督映画『Le Film du Japon』や、11年の個展「Free Fall」(エスパス ルイ・ヴィトン東京)における「無重力」の舞台となったのも、日本の地。またヴェイヤンは09年のベルサイユ宮殿での展示にあたって、安藤忠雄や妹島和世などの建築家たちをモチーフにした立体作品も手がけている。

 本展はこの文脈においてヴェイヤンの主要な要素を包括的に紹介するもの。作家のアトリエ近郊に実在する通りの名前「Chemin Vert(緑の小道)」にちなみ、詩的かつ半抽象的なロケーションを名づけられた本展は、ヴェイヤンの彫像術と空間における身体の表現を視覚的な森のように提示し、鑑賞者が自身の知覚傾向に触れ、問い、新たな観察方法を発見する機会を与える。

 さらに本展は、ヴェイヤンによる抽象化への探求から生まれた2つの重要なシリーズ「Mobile」と「Rays」のインスタレーションや、最新の寄せ木細工への試み、また新型コロナウイルスによる外出禁止期間中に制作された新ドローイングを厳選して展示する。

「私にとって展覧会とは、場所ではない場所、つまり『非場所』を創出することです。奇遇にも、アートギャラリーという無色で代替可能な白い箱は、この考えにふさわしいものと言えます。さらに、今回の非場所は東京という素晴らしい都市に位置していることに、大きな関心と満足を感じています(グザヴィエ・ヴェイヤン)」。