神業ニッポン 明治のやきもの -幻の横浜焼・東京焼-

　特別展「神業ニッポン 明治のやきもの -幻の横浜焼・東京焼-」が滋賀県立陶芸の森 陶芸館で開催されている。

　1859（安政6）年に開港した横浜港。開国を機に日本で近代の幕が開くと、横浜や東京には各地から陶磁関係の業者が集まり、工房や店を構えるようになった。

　この頃、全国の陶産地から素地を取り寄せ、外国人や海外への輸出向けの、絵付けや装飾を凝らした「横浜焼・東京焼」が誕生。優美で精緻を極めた「横浜焼・東京焼」の品々は、万国博覧会で紹介されて反響を呼び、欧米諸国で大きな関心を集めた。

　また、その類い稀な意匠は欧米における「ジャポニスム（日本趣味）」ブームを加速させ、横浜港から大量に海外へ輸出された。輸出品という性格上、「横浜焼・東京焼」が国内に残ることは稀で、「幻の陶磁器」とも言われている。

　本展では、国内随一のコレクター・田邊哲人が所蔵する「幻の陶磁器」の里帰り作品を中心に、日本に現存する優品約140点を展示。日本が誇る「職人技」と、超絶技巧でつくられた明治のやきものの魅力に迫る。