EXHIBITIONS

康夏奈 作品展「100 miles climbing」

六本木 蔦屋書店 2F BOOK GALLERY
2021.03.22 - 05.30

康夏奈 作品展「100 miles climbing」より

康夏奈 作品展「100 miles climbing」より

『吉田夏奈 / 康夏奈 作品集』表紙

 アーティスト・康夏奈(吉田夏奈)の作品展「100 miles climbing 」が、六本木 蔦屋書店のギャラリースペース「BOOK GALLERY」で開催される。3月22日~5月30日まで。

 康は1975年東京都生まれ。ロサンゼルス、フィスカルス(フィンランド)、香川県小豆島でアーティスト・イン・レジデンスを経験し、2010年に吉田夏奈の名前で展覧会デビュー。16年からは康夏奈の作家名で活動した。

 康は、山に登り海に潜るなど自然のなかに身を置き、自らの身体を使った体験を取り入れて作品を制作。身体的体験のなかで刻み込まれた記憶や不安や恐れといった感情が、その場を深く知覚し、次第に美しい場所として意識を拡張していく経験を絵で表現した。そうして生まれた作品からは、作家の強い生命の片鱗を感じ取ることができる。

 20年2月に逝去した康の作品は、同年10月から東京都庭園美術館で開催された展覧会「生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙」で展示され、大きな関心を呼んだ。

 本展は、康の作品を、前期「you are here to enjoy yourself」(3月22日~4月25日)と後期「Beautiful Limit」(4月27日~5月30)に分けて紹介。前期では、険しい山々の風景のなかで小さな人間(Mr.BEER)が奮闘するシリーズを、後期では緑鮮やかな風景の作品を中心に展示する。

 なお今年4月には、待望となる作品集『吉田夏奈 / 康夏奈 作品集』が刊行予定。同名作品集は、平面、立体、インスタレーションなど、作家の学生時代から2020年までの活動によって生まれた300点を超える作品群から、主要作品ほか約130点を掲載。康の表現の変遷を追い、その世界観を感じながら、自然や宇宙のイメージの広がりを追体感できる一冊となる。