EXHIBITIONS

水戸部七絵「I can’t speak English!」

2021.03.18 - 04.11

© Daisuke Fujikura

 画家・水戸部七絵が個展「I can’t speak English!」をNADiff Galleryで開催。会期は3月18日~4月11日。

 水戸部は神奈川県出身、2011年名古屋造形大学造形学科洋画コース卒業。21年より東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画(油画第一研究室)に在籍し、画家・小林正人に師事。現在、千葉のスタジオを拠点に制作・活動している。

 水戸部は初期から象徴的な人物の存在を描いてきたが、14年のアメリカでの滞在制作をきっかけに「顔」をテーマとした大スケールの絵画シリーズ「DEPTH」を発表。以降、同シリーズの制作を続けきた。その絵画作品は、カンバス上に油絵具を分厚く豪快に塗り重ねた、大胆な色彩と立体のような質感が特徴。愛知県美術館、高橋コレクションへの作品収蔵や、「VOCA展2021」でのVOCA奨励賞受賞など、見る者の視覚を強烈に刺激する絵画表現への評価や注目度は年々高まっている。

 本展では、水戸部が近年新たに向き合っている、パンデミックをきっかけとした絵日記形式のシリーズを中心に展示。世界的パンデミックのなかで、SNS上で見たニュースを取り上げ描いた新シリーズは、同時期に開催されている上野の森美術館での「VOCA展2021 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(~3月30日)の出展作ともつながる。
 
 過剰に積層する絵具と、母国語ではない英語の文章によって新しい表象構築を試みる、水戸部の絵画表現に注目してほしい。