EXHIBITIONS

ALTERED STATE - 変更された状態 -

curated by CALM & PUNK GALLERY and C.C.P.

2021.03.12 - 03.29

メインビジュアル

水野健一郎

ラッセル・モーリス

「コミック・アブストラクション」を代表するアーティスト、水野健一郎とラッセル・モーリスによる2人展「ALTERED STATE - 変更された状態 -」が開催。キュレーションは、C.C.P.とCALM&PUNK GALLERYによる。

 水野健一郎は1967年岐阜県生まれ。鳥取大学工学部社会開発システム工学科を経て。バンタンデザイン研究所キャリアスクールを修了。その後、セツ・モードセミナーを卒業。既視感と未視感の狭間に存在する「超時空感」を求めて、潜在的絵画体験であるテレビアニメからの影響を脳内で再構築し、多様な手法を用いてアウトプットする。そのいっぽうで、「クラムジング」「脱印象的描画法」と名づけた手法によって「表現のキワ」を追究している。映像チーム「超常現象」、美術ユニット「最高記念室」としても活動。「アウターサイド」シリーズメンバー、グループ展「得体」「擬似マウンテン」キュレーション。東北芸術工科大学および女子美術大学で非常勤講師を、京都芸術大学で特別講師を務める。マイファイ絵画実験室講師。

 ラッセル・モーリスは1975年イギリス・ニューカッスル生まれ。若干8歳にしてグラフィティカルチャーに接し、大きな影響を受ける。20年ほどロンドンで暮らした後、東京に移住。インターネット以前の時代に存在した、世界中のグラフィティライターたちが自身のグラフィティ写真を交換するための地下ネットワークに参加した。そこで手に入れた写真を使用して、グラフィティムーブメントを記録したZINEを制作。93年には、イギリスで初めてグラフィティをTシャツにプリントしたアパレルレーベル「The Gasface」を立ち上げ、その後、レーベルの名称を「Gasius」に変更して、Medicom、Porter、Givenchy、NIKEといったブランドとコラボレーションする。モーリスの現在の作品群は、アニメーションやマンガの要素と組み合わせた抽象絵画、様々なメディウムの立体作品、コラージュと少しの写真で構成されており、新たな段階に突入した「コミック・アブストラクション・ムーブメント」の触媒となる重要なアーティストだ。

 本展のキュレーションを務めるC.C.P.(CHILDHOOD、CALM & PUNK)は、2020年に安部憲行とアレキサンダー・K・エイネッターによってベルリンに設立された、国際的に活躍するアーティストをベルリンに招聘するためのプロダクション。「コミック・アブストラクション」をはじめ、様々なアートを追求し、アパレルブランドや出版などの表現を組み合わせたクリエイティブな取り組みを発信している。

 C.C.P.は今年1〜3月にかけて東京に滞在し、パートナーであるCALM&PUNK GELLRYと提携して、2つの展覧会とポップ・アップを企画。本展はその一環として開催される。

「水野とモーリスは、まったく違う出自を持ちながらも、アニメーション・マンガ的な視覚言語という共通項を持ち、コミック・アブストラクションの旗のもとに相見えることになった。展覧会で発表される作品群では、複数のテーマがコミック・アブストラクションと言う名の超現実的な坩堝のなかで混ざり合っている。具体的に言うと、身体性、フォルムの変化、SFと自然、人間、生物、昆虫、そしてそれらの間に横たわるすべてのもの、そして……もちろん、1つや2つのアルタード・ステイツ(変性意識)も。(本展ステイトメントより、安部憲行 CALM & PUNK GALLERY / C.C.P.)」。

 なお本展出品作の一部はオンラインでも販売される。ECサイト「OIL by 美術手帖」にて、3月13日 16:00より順次公開予定。