EXHIBITIONS

相国寺・金閣・銀閣 宝物展

梅の余薫/相国寺の歴史と寺宝

2021.01.31 - 04.18

徳川家康像 加藤栄蔵信清筆 一幅 絹本著色 江戸時代 18世紀 相国寺蔵

墨梅図 玉畹梵芳賛 一幅 紙本墨画 室町時代 15世紀 慈照寺蔵

渡唐天神像 瑞渓周鳳賛 一幅 室町時代 紙本著色 15世紀 鹿苑寺蔵

伏見大光明寺勧進帳 一巻 紙本墨書 桃山時代 文禄3(1594)年 相国寺蔵

徳川家康像 加藤栄蔵信清筆 一幅 絹本著色 江戸時代 18世紀 相国寺蔵

群鶏蔬菜図押絵貼屏風(左隻) 伊藤若冲筆 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵

群鶏蔬菜図押絵貼屏風(右隻) 伊藤若冲筆 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵

 京都・相国寺の境内にある相国寺承天閣美術館は、「相国寺・金閣・銀閣 宝物展 梅の余薫/相国寺の歴史と寺宝」を開催している。

 相国寺は1392年、室町幕府三代将軍・足利義満によって創建された禅宗寺院。足利家の邸宅である花の御所の東に隣接し、義満以後、13人の歴代足利将軍の位牌を安置する塔頭がかつては存在していた。また、足利義満ゆかりの鹿苑寺(金閣)や、足利義政ゆかりの慈照寺(銀閣)などが山外塔頭として名を連ねている。
 
 本展は、相国寺と相国寺派の塔頭の寺宝から相国寺の歴史と通観する展示の第1弾。今回は禅僧と梅の文化史をテーマとした企画とともに、相国寺の歴史を室町から近代までたどる。

 展示は、最初に春を告げる梅に禅僧が託した思い、梅と禅文化のかかわりを考える「梅の余薫」、相国寺の歴史を宝物によって概観する「相国寺の歴史と寺宝」の2部で構成。「梅」に関する作品の展示と、中世の相国寺を象徴する《足利義満像》飛鳥井雅縁賛や相国寺にゆかりの画家・伊藤若冲の《群鶏蔬菜図押絵貼屏風(ぐんけいそさいずおしえばりびょうぶ)》をはじめとした、相国寺、金閣寺、銀閣寺の宝物を一挙公開している。

 見どころのひとつとなるのが、戦国武将と相国寺僧の関係をうかがわせる資料《伏見大光明寺勧進帳》。相国寺中興の祖・西笑承兌(せいしょうじょうたい)の住していた伏見大光明寺(現在、伏見から相国寺境内に移転)の再建に際し、豊臣秀吉と全国の武将が工費を寄進した。この時に寄与した122名の花押が記された《伏見大光明寺勧進帳》には、徳川家康や毛利輝元、上杉景勝らそうそうたる顔ぶれがおり、西笑承兌がいかに豊臣秀吉に厚遇されていたかを伝える。