Haroshi GUZO

　東京都在住の日本人アーティスト、Haroshiは2003年よりスケートボードデッキの廃材を使った彫刻作品、インスタレーションを制作しているアーティスト。スケーター、キース・ハフナゲルが率いるストリートブランドHUFとのコラボレーションや、BATB（＊）のトロフィーなどを通じて、現代のストリートカルチャーの深層を体現、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンなどで展覧会を行うなど、絶大な支持を集めている。

　Haroshiの作品は友人を介したネットワークや、スケートボードショップなどの協力を得ながら、自らつくったオリジナルのTシャツと交換。通常は捨てられてしまう使い古したデッキ（板）を集めるところから始まる。自身も幼少期からスケーターであったHaroshiは、スケートボード特有の様々な技術を習得する過程で、どれだけの鍛錬を必要とするのかを身をもって知っており、その経験から、スケートボードにも様々なこだわりを持ちながら育ったという。真剣に打ち込めば打ち込むほど、スケートボードのあらゆる部品は、痛めつけられて消耗し、やがて壊れる。それでも捨てずに保管していたデッキから着想を得て、作品制作に至ったHaroshi。

　本展では、「救済された」デッキの廃材をレイヤー状に積み重ねてブロック状にし、そこから造形を削り出す彫刻作品20点以上もの彫像群に加え、同じく救済デッキから生まれたクォーターランプ形状のインスタレーション（＊）を発表する。

＊BATB
THE BERRICSは2007年にプロスケーターのSTEVE BERRAとERIC KOSTONが設立したプライベートスケートパーク。 BATB（Battle at The Berrics）は、そこで行われるプロスケーター達によるSKATE GAMEのトーナメント戦。

＊ランプ
スケートボーダーが滑るR状に湾曲した滑走場。