EXHIBITIONS

落合多武展「輝板膜タペータム」

落合多武 ドローイング 2020 ニューヨーク ©︎ Tam Ochiai

落合多武 ドローイング 2020 ニューヨーク ©︎ Tam Ochiai

落合多武 august 2018 ©︎ Tam Ochiai

落合多武 個展「ショパン、97分間」(てつおのガレージ、日光、栃木、2019)での展示風景 写真=髙橋健治 ©︎ Tam Ochiai

落合多武 灰皿彫刻《ギターリスト》 2017 ©︎ Tam Ochiai

落合多武 個展「Meadow Traveler, Madeleine Severin(牧草地の旅行者、マデリーン・セヴェリン)」(小山登美夫ギャラリー、京都、2012)での展示風景 ©︎ Tam Ochiai

落合多武 猫彫刻  横浜トリエンナーレ2011での展示風景 ©︎ Tam Ochiai

 ニューヨーク在住のアーティスト、落合多武の個展「輝板膜タペータム」が銀座メゾンエルメス フォーラムで開催される。

 落合は1967年神奈川県生まれ。和光大学卒業後に渡米し、93年にニューヨーク大学芸術学部大学院修了。「概念としてのドローイング」を主なテーマに、ドローイングや立体、映像、パフォーマンス、詩などの多様なメディアを用いた制作を行う。いずれの作品も、複数の時間や流動的な思考が含まれており、ひとつの概念がかたちとなっては解体され、また次の思考へと結びついていく。それは人物や物事に内在する経験を掘り起こし、隠された意味や予期せぬ関係性を見つけ出していくだけでなく、詩的な語意が複雑に反響する自在な世界へとつながっている。

 本展は、四半世紀にわたる落合の作家活動を通して制作された、ペインティングや立体、写真、映像と様々な表現の作品群を組み合わせながら、それぞれの作品が導き出す事柄の連鎖や断絶のなかにある自由な遊歩を提案するもの。新作のドローイングを交え、「M.O」「Everyone Has Two Places」「ashtray sculpture(灰皿彫刻)」「Itinerary, non?」「Chopin,Op.97(ショパン、97分間)」などのいくつかのシリーズを紹介する。

 タイトルの「輝板膜タペータム」にある輝板(タペタム)とは、夜行性動物の眼球内の構造物のこと。網膜の外側にあって暗闇のなかのわずかな光をとえて反射するよう機能し、猫の目が暗闇で光る現象として理解されている。

「暗い場所で光を反射し続ける眼球は、見られるものに対して中間地点にいる」と語る落合。その眼球のなかをこの展覧会とするならば、見るものと見られるものが自由に交差する中間地点となるかもしれない。