EXHIBITIONS

盛田亜耶「オフィ-リアのために」

《オフィーリアのために》 制作風景 盛田亜耶アトリエにて 2020年12月

 超絶技巧の切り絵で注目を集める作家、盛田亜耶の新作個展「オフィ-リアのために」が開催される。

 盛田は1987年東京都生まれ。2017年に東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻を修了。名画の構図をもとに、現代人をモデルとして作品を制作する。身体を解剖学的な興味から骨格や内臓まで描く、動植物と一体化させたイメージは独創的。1枚の紙とたった1本のカッターで辛抱強く微細に切り出されたイメージは、凄絶な迫力で比類のない魅力を湛えている。

 本展では、ジョン・エヴァレット・ミレーの名作《オフィーリア》から着想を得た大作を発表。コロナ禍でより「生」を肯定的にとらえるようになったという盛田は、絶命したオフィーリアが生きていたらと想定して今回の《オフィ-リアのために》を制作した。表題作のほか、未発表の切り絵12点が展示される。

「象徴派のミレーの『オフィーリア』は、狂気の象徴であり、私には男性視点の理想の女性像に思えました。私の『オフィーリア』は彼女を死から開放し、ハムレットのために命を落とすことなく、純潔の白を想像させない黒い紙でカットしました。制作に没頭するなかで、私は『死』よりも『生』を強く意識し、か弱い女性を表現するのではなく、現代に生きる優しさと力強さが融合した女性像を描こうと思ったのです(盛田亜耶)」。