EXHIBITIONS

城田圭介「Over」

2021.01.08 - 02.07

城田圭介 August 15, 2020(Nijubashi Bridge)(部分) 2020

城田圭介 「Drawing on back of photos」シリーズより 2020

城田圭介 ミュージアムのある風景 2020

 写真と絵画を使い、独自の描写方法で制作を行うアーティスト・城田圭介の個展「Over」が開催される。

 城田は1975年神奈川県生まれ。2003年東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。スナップ写真を用いて、その周囲に拡張する架空のイメージを描き加える作品や、風景写真のなかの人物のみ塗り潰し、画面から消し去る作品など、写真と絵画を組み合わせた作品を制作している。

 2019〜20年にかけては、美術館個展「写真はもとより PAINT, SEEING PHOTOS」(茅ヶ崎市美術館)を開催した城田。Maki Fine Artsでの初個展となる本展では、新作を中心に発表する。

 そのうちのひとつ《August 15, 2020(Nijubashi Bridge)》は、二重橋で撮影された写真のツーリストの部分のみを抽出し、画面に描写した作品。支持体には8月15日付の、複数の新聞から切り抜かれた無数の写真が貼り合わされ、白色塗料で全体を覆い塗り潰してあるが、側面には下層の新聞紙の痕跡を見ることができる。

 SNSなどを通じて、「写真=イメージ(画像データ)」という認識が一般的となり、従来の写真の定義が不確実になる現在において、城田は描く行為により、写真そのものの実体を鑑賞者に意識させる。