EXHIBITIONS

富田菜摘 スクラップ・ワールド

2020.11.13 - 2021.03.14

富田菜摘 ステイシー(ステゴサウルス) 2018 作家蔵

富田菜摘 ティラ(ティラノサウルス)(部分) 2019 作家蔵

富田菜摘 元(チンパンジー) 2015 作家蔵

富田菜摘 津軽(ラクダ) 2016 作家蔵

富田菜摘 マーサ(カンムリヅル) 2020 作家蔵

会場風景より

会場風景より

 廃材を用いて動物をつくり出す立体造形作家の展覧会「富田菜摘 スクラップ・ワールド」がヤマザキマザック美術館で開催中だ。

 富田菜摘は1986年東京都生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。菓子や飲料の缶をはじめ、壊れた楽器やゲーム機器、廃棄処分となった給食用の調理器具、工事の表示板など、あらゆる廃材を集め、自由奔放な造形感覚によって組み合わせることで、ユーモアあふれる動物の作品を制作している。

 ティラノサウルスの「ティラ」、元気いっぱいのチンパンジー「元」、ドードー鳥の「ドド」と「ミド」など。作品すべてにユニークな名前をつけている。

 また、富田は古紙を使い、サラリーマン、主婦、女子高生、高齢者など現代に生きる人間たちの姿を少々の風刺と愛情を込めて表現した人物像も発表。人物像の表面には、各キャラクターを象徴するような新聞や雑誌の記事が貼りつけられ、人間と社会に向ける暖かくも鋭い観察眼が魅力のひとつとなっている。

 本展では、同館の母体・ヤマザキマザック株式会社の工場から出た金属廃材を提供し、富田に制作を依頼した新作、カンムリヅルの「マーサ」などを初公開。動物たちと人物像、あわせて70余点の作品によって、子供から大人まで幅広い年齢層を魅了している、繊細でダイナミックな富田の創造世界を紹介している。