EXHIBITIONS

香りの器 高砂コレクション 展

七宝花鳥文香炉 明治時代 高砂コレクション

赤絵式把手付香油瓶 前6世紀 高砂コレクション

エミール・ガレ 草花文香水瓶 1900頃 高砂コレクション

ルネ・ラリック 香水瓶「ユーカリ」 1919 高砂コレクション

鶴蒔絵香枕 江戸時代 18世紀 高砂コレクション

浜松塩屋蒔絵十種香箱 明治時代 20世紀 高砂コレクション

 古代から20世紀まで、世界各地の香りの器が集う展覧会「香りの器 高砂コレクション 展」がパナソニック汐留美術館に巡回する。

 人類の誕生とともに始まった香りの文化。遡ること紀元前3000年頃の古代メソポタミアやエジプトにおいて、香りの器は宗教的な儀式のためだけでなく、王や貴族の生活のなかでも用いられたという。

 本展は、古今東西の香りに関する工芸作品の鑑賞を通じ、人類の文明とともに発展してきた香りの歴史にふれる。

 古代オリエントの香油壺から、近代ヨーロッパのエミール・ガレやルネ・ラリックらがデザインを手がけた、華やかな陶磁器やガラス製の香水瓶。また、香道の道具類に見られる贅を極めた漆工芸品や陶磁器、金工品による香炉や香合といった日本の伝統的な香りの器。

 本展では、高砂香料工業株式会社が長年にわたり収集してきた質の高いコレクションから、およそ240点を選りすぐって展観する。

 また、香りを想起させる貴婦人の肖像画や、マリー・ローランサンによる名画、アール・デコ時代を象徴する瀟洒な椅子や照明器具などの作品を、国内の美術館から特別出品。香りの器が、同時代の絵画やデザインと深く関連づくものであることに着目する。