EXHIBITIONS

没後50年 榊原紫峰

花鳥の美に魅せられた日本画家

2021.03.01 - 05.31

榊原紫峰 牡丹大和鵲 1953(昭和28)頃 足立美術館蔵

榊原紫峰 青梅 1918(大正7) 足立美術館蔵

榊原紫峰 白鷺図 1926(大正15)頃 足立美術館蔵

榊原紫峰 墨梅 1966(昭和41)頃 足立美術館蔵

 足立美術館の春季特別展では、「没後50年 榊原紫峰 花鳥の美に魅せられた日本画家」を開催する。

 榊原紫峰(さかきばら・しほう、1887~1971)は、花や鳥に深い愛情を注ぎながら、一途に花鳥画を描き続けた画家。京都に生まれ、京都市立絵画専門学校などで学んだ紫峰は、1918(大正7)年に自由な制作の場を求めて国画創作協会(国展)を結成し、革新的な作品で画壇に新風を吹き込んだ。

 1928(昭和3)年の国展解散後は画壇から離れ、孤高の生活のなかで自身の芸術を追求した紫峰。初期は鮮やかさと強さを持ち合わせた色彩豊かな作品を描き、そこから徐々に色彩から離れて、画風に清らかな透明感を備えると、晩年には自然の本当の美をとらえるべく、静寂に包まれた水墨画にたどり着いた。

 本展は、没後50年を記念して紫峰の画業を一望。細やかな筆遣いで鳥や可憐な花々などをとらえた作品から、晩年の精神性の高い水墨画まで、足立美術館が所蔵する紫峰コレクションのなかから厳選した作品38点が展示される。