EXHIBITIONS

PUBLIC DEVICE -彫刻の象徴性と恒久性-

菊池一雄 平和の群像(マケット) 撮影=小俣英彦

 現代の視点から彫刻を公共性を再点検する展覧会「Public Device -彫刻の象徴性と恒久性」が、東京藝術大学大学美術館 陳列館で開催されている。

 18世紀以降の東西において、公共空間の彫像・彫刻は都市の近代化に付随して林立した彫刻。第二次世界大戦後には、世界中で多くのパブリック・アートが設置され、日本では裸体像のような公共彫刻が相次いで設置された。

 日本の公共彫刻の多くは指名制度によって設置され、コンペティション形式である場合は、最初に作家が作品をプレゼンテーションするための資料を制作。提案が採用され実現する作品があるいっぽうで、その他のアイデアは公開されることはない。

 本展は、無数の試行錯誤や思索が存在する「公共彫刻」の裏側に重きを置き、彫刻の制作段階そのものに焦点を当てる展覧会。

 日本の最初期の裸婦の公共彫刻である菊池一雄の《平和の群像》の模型を起点に、彫刻を並べるだけでなく、ドローイング、マケット、CG、映像媒体など多様な表現による彫刻の道筋を見せることで、これまではあまり意識されることのなかった、権力を受け止める装置としての彫刻のありようや、現代における彫刻というメディアの可能性を多角的な角度から考察する。
 
 参加作家は、会田誠、青木野枝、井田大介、大森記詩、小谷元彦(本展企画)、小田原のどか(本展共同キュレーター)、笠原恵実子、カタルシスの岸辺、SIDE CORE、島田清夏、高嶺格、椿昇、戸谷成雄、豊嶋康子、西野達、林千歩、森淳一(本展企画)/菊池一雄、北村西望、本郷新。会場構成は、本展キュレーター・アートディレクターの小谷元彦と、SIDE COREが担当。