EXHIBITIONS

文化財保存修理所開所40周年記念 特別企画

文化財修理の最先端

伊藤若冲 石燈籠図屏風(右隻) 京都国立博物館蔵

御簾松文様小袖 京都国立博物館蔵

 京都国立博物館が特別企画「文化財修理の最先端」を開催。世代を超えて受け継がれてきた文化財を、文化財修理という切り口から紹介する。

 日本の文化財は大半が脆弱な有機物を素材につくられており、約100年に一度は定期的な修理が必要だ。異なる素材を複合させながら発達した日本の修復技術は、古い作品を大切にし、後世へ伝えようとする人々の心と日本の自然が生み出した、人文遺産そのものと言える。

 京都国立博物館の敷地内に併設されている「文化財保存修理所」は、指定文化財を安全に修理することを目的とし、1980年7月に設置。公営修復施設としては日本で初めて開設され、2020年に開所40年を迎えた。

 本展ではこれを記念し、伊藤若冲による《石燈籠図屏風》など、近年修復された文化財のなかでも、とくに注目される作品を厳選して展示。最新の修復成果を交えながら、文化財を後世に残していくことの大切さを伝える。