EXHIBITIONS

新春特集展示 丑づくし─干支を愛でる─

新羅十二支像護石拓本のうち丑像 京都国立博物館蔵

 京都国立博物館で毎年恒例となる新春特集展示「干支を愛でる」。2021年は「丑づくし」と題して、今年の干支である牛(丑)にちなんだ作品を紹介する。

 牛(丑)と人類のつき合いは古く、約1万年前から犬・ 山羊・羊・豚に次いで家畜化された記録が残っている。古代中国の漢代では富の象徴として表現され、古代東アジアでは十二支のひとつに数えられる。

 もともと日本に生息していなかった牛は、古墳時代に外国から伝来。牛耕や運搬などが本格化した平安時代には神の使者や乗り物としても表された。中世には農村風景の一部となり、神仏とも結びついて庶民にも信仰が伝播。いっぽう、古代・中世の禅宗では、悟りの世界を象徴する存在として描かれ、江戸時代以降にはあふれる生命力などの表現も生まれた。

 本展では、京都国立博物館の所蔵品より、朝鮮半島から日本に伝わった《新羅十二支像護石拓本(丑像)》や、重要文化財《牛図》(俵屋宗達筆、烏丸光広賛)をはじめとする屏風、牛の置物や硯箱、染付など、丑年にふさわしい作品が並ぶ。