EXHIBITIONS

インタラクション:響きあうこころ

2020.12.12 - 2021.03.14

佐々木類 Liquid Sunshine / I am a Pluviophile 2019 コーニングガラス美術館蔵
Corning Museum of Glass(2018.6.2), 33rd Rakow Commission, funded by the Juliette K. and Leonard S. Rakow Endowment Fund

赤松音呂 チジキンクツ 2013 作家蔵、© 赤松音呂
「CYBERARTS 2015」(OK Center for Contemporary Art、リンツ、オーストリア、2015)での展示風景

磯谷博史 「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館、東京、2019)での展示風景

 富山市ガラス美術館が企画展「インタラクション:響きあうこころ」を開催。見る者の感覚や記憶に作用し、作品との積極的なかかわりを促す3名の作家、赤松音呂、磯谷博史、佐々木類を紹介する。

 赤松は東京都出身。武蔵野美術大学彫刻学科卒業、東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修士課程修了。インスタレーションをはじめ、パフォーマンスやヴィデオ、立体、絵画など様々な媒体を通して、日常のひそやかなリズムを掬い上げる。15年に「アルス・エレクトロニカ賞」でゴールデン・ニカ賞を受賞。

 磯谷は東京都出身。東京藝術大学建築科を卒業後、同大学大学院先端芸術表現専攻修士課程およびロンドン大学ゴールド・スミスカレッジのアソシエートリサーチプログラムを修了。彫刻、写真、ドローイングなどを行き来し、これらの相互関係を通して、私たちがもつ認識の一貫性や時間のとらえ方を再考する。

 佐々木は高知県出身。武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科ガラス専攻卒業、アメリカのロードアイランド・スクール・オブ・デザインガラス科修了。現在は石川県を拠点に活動し、「微かな懐かしさ」をテーマにガラス作品を手がけている。

 身近な事象を手がかりに作品制作を行ってきた3名。地磁気(ちじき)を表現に取り入れた赤松の《チジキンクツ》、蜂蜜にまつわる多様な時間や記憶を照らし出す磯谷の《花と蜂、透過する履歴》、富山の曇りがちな空や雨から着想を得た、佐々木の《Liquid Sunshine / そらにみつろうか》など、本展の出品作品には、世界と自身のつながりを感じ取る作家の気づきが重なり合う。

「インタラクション(対話)」をテーマとする本展は、身近なものとのつながりを気づかせ、新たな視点で世界をとらえるきっかけとなるだろう。