EXHIBITIONS

松本望睦、趙里奈「you had me alone」

2020.11.28 - 12.27

Rina Cho ”untitled” (2020)

 サウンドデザインや楽曲制作、キュレーションなど多領域で活動する松本望睦と、油彩やコラージュなど、複数の素材を用いてペインティングや立体作品、絵本などを制作する趙里奈による2人展がTALION GALLERYで開催される。

 松本は1990年神奈川県生まれ。2012年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。サウンドデザインや楽曲制作、キュレーションなど多方面で活動している。音のなかでもとりわけ声やそれが発される母体をテーマとして制作を始め、テクノロジーの変化とともに生じる社会生活の新たな様式や人体への作用について探究。社会哲学的考察を織り込んだストーリー、音響、パフォーマンスなどが一体となった作品へと転化させている。

 趙は1989年北海道生まれ。ロンドンを拠点に、油彩やコラージュなど、複数の素材を用いてペインティングや立体作品、絵本などの制作を行う。趙の作品には、朴訥な色調と筆触のなかにつぶらな瞳をもつ生きものの姿が描かれ、それらは隔たれた平面の向こうで、こちら側にはない、なにか切実な対象を見つめながら画面のなかを漂浪し、寓話の一場面のように切り取られている。

 本展「you had me at aloha」は、スーパーマーケットで売られていたぬいぐるみに刺繍で記された「初め(の挨拶)から心は決まっていた」を「you had(left)me alone(私を置き去りにした)」と誤読したことからアイディアが始まった。

 本展では松本と趙のふたりが2020年という自己隔離期間(self-quarantine period)におけるバーチャルワークをめぐって、ロマンティックなゲシュタルト崩壊を引き起こすフィールドワークへと転化した作品を発表する。