EXHIBITIONS

水谷昌人個展「Aftereffect」

2020.11.21 - 12.13

水谷昌人 灰色の雨(Study after Velázquez / Francis Bacon) 2020

 水谷昌人の個展「Aftereffect」が3331 Arts Chiyoda内のARTDYNEで開催されています。

 水谷は1990年大阪府生まれ。京都造形大学美術工芸学科洋画コース総合造形ゼミを経て、京都市立芸術大学大学院美術学科絵画専攻油画コースを修了し、現在は大阪で制作を行っている。2016年に丸ビル「a.a.t.m. アートアワードトーキョー丸の内2016」建畠晢賞を受賞。15年にトーキョーワンダーサイト渋谷「ワンダーシード 2015 」に入選。近年の個展に、「123 億魂」(HARMAS GALLERY、東京、2019)、「Sex and the Bacon」(FINCH ARTS、京都、2018)、「IZANAI」(TS4312、東京、2018)などがある。

 水谷は特異な制作技法でも知られるアーティスト。制作ではまず、パネルに厚く塗った画面の中央に空間を設け、裏面に過去の著名作家の作品のコピーを貼りつける。その後、パネルに多数の穴を空け、それぞれの穴からその場所に対応する色の絵具を流し込むという方法を用いている。作品の表面からは有機物や魅惑的な内臓のようなものがうねりながらあふれ、さらに偶然を伴って表面に付着していく。作家の意図を越えて「生まれる」水谷の作品は、絵画の本質とは何か、制作とはどうあるべきかという根源的な問いを抱え、仇(あた)めと崇高さという、一見相いれないものを両立させている。

 本展では、これまでの技法の作品に加え、水谷が新しい試みに挑んだ作品も展示される。