EXHIBITIONS

サラ・ウアドゥ 個展「AA - Atlas/Aomori」

展示風景より

 青森公立大学国際芸術センター青森の2020年度アーティスト・イン・レジデンスプログラム「OPEN CALL: CALL for OPEN」に参加中のアーティスト、サラ・ウアドゥによる個展「AA - Atlas/Aomori」が開催されている。

 ウアドゥは1986年フランス・ドラギニャン生まれ。パリ装飾美術学校卒業。伝統的なモロッコの家庭で育ったことで2国の文化背景を持ち、モロッコの伝統的な芸術形式とコンテンポラリー・アートのあいだで、忘れられた文化の継続性を新しい視点で位置づけることを試みる。作品は、人々との対話と歴史的事物の調査に基づき、学びや知識の交換が行われるプロジェクトや物語の形式で発表している。

 ウアドゥは、2018年にも東京でレジデンスプログラムに参加しており、その際に青森を訪れた。当時青森で出会った、青森の伝統的な刺繍の技術を使った「こぎん刺し」と縄文土器の模様と、モロッコの先住民・ベルベルの人々が同じように土器や織物で伝承してきた模様との類似性を見出し、この3年間、「AA-ATLAS/AOMORI」というプロジェクトを続けている。

 本展では、青森からデータを送る書籍での調査をもとに、ベルベルと青森の模様を比較・考察しながら制作したドローイングや、プロジェクトを実施するなかでつくられたマップなどを展示する。