EXHIBITIONS

坂本龍一+高谷史郎 インスタレーション展

water state 1

坂本龍一+高谷史郎 water state1 2020 撮影=山中慎太郎(Qsyum!) 画像提供=YCAM

 坂本龍一+高谷史郎によるインスタレーション展が山口情報芸術センター[YCAM]で開催中。水を素材に、YCAMで制作・発表した2013年の作品《water state 1》が公開されている。

 地球上の生命を支える根源的な物質であり、環境条件によってその様態を自在に変える「水」。音楽家・坂本龍一は、音楽から造形的要素に至るまで、様々なインスピレーションの源泉となる「水」に対して、強い関心を示してきた。

 YCAMに附属する研究開発チーム「YCAM InterLab」は、坂本がアーティスト・高谷史郎との共作となる《water state 1》の構想を進めるなか、水滴を制御し、自在に落下させることができる装置を開発。そして、水の様態の変化を中心に据えた、「庭」のような作品が完成した。

 水の様々な表情を見せる《water state 1》の中央の漆黒の水面には、水滴が落ち、波紋が広がり、それと呼応するように繊細なサウンドが会場を包み込む。地球上の気象データなどをもとにして、時間とともに水滴の落ちる量や場所が変化し、水滴に合わせて広がり、干渉し合う波紋とサウンドが、重なり合いながら静寂のなかに消えていく。