EXHIBITIONS

長岡秀星回顧展

SPACE FANTASY ー透明な宇宙を求めてー

代官山ヒルサイドフォーラム
2020.12.08 - 12.27

長岡秀星 Interstellar Ship 1985 © Shusei Nagaoka
銀河系を回遊する想像上の宇宙船。宇宙を走る自動車のようなイメージ。科学雑誌へのイラストレーション。

長岡秀星 Poster of TSUKUBA EXPO'85 1985 © Shusei Nagaoka
光輝く未来が見えてくる地球、それは、人間の手(頭脳)とロボットの手(IT技術)で支えられる地球。
1985年つくば科学万博の為に描いたポスター。

長岡秀星 JUST BLUE 1979 © Shusei Nagaoka
フランスのディスコグループ「スペース」のためのアルバムカバー。
ビルボード誌で大変評価されたイラストレーション。

長岡秀星 TELEPORT 1978 © Shusei Nagaoka
女性上位のふんぞり返った女王様はお気に入りの男性をスイッチひとつで選んでいる。
未来人というのは、プロセス、内容を求めず、結果のみを選択する。
そのことに慣れてしまう悲劇を感じてもらうために描かれた作品。

長岡秀星 Munich Machine 1977 © Shusei Nagaoka
ドイツミュンヘン出身のディスコグループ「ミューニックマシーン」のためのアルバムカバー。
右のダンサーのヘルメットから何かを想像してみてほしい。

長岡秀星 STARTREK 1979 © Shusei Nagaoka
パラマウント映画『スタートレック』に登場する宇宙船エンタープライズ号はすでに商標登録されているため、
別のかたちの宇宙船を描いてほしいという、広告代理店の依頼で描いた作品。使用用途は不明。

長岡秀星 All N'All 1977 © Shusei Nagaoka
EW&Fのアルバムカバー。テーマは「時の流れ」と人間の情熱。
全体のイメージは東洋的な感覚で言えば「無常観」。
それを古代エジプト調で表現してほしいと言われて描かれた作品。

長岡秀星 MIDNIGHT STAR 1978 © Shusei Nagaoka
地球が最後を迎えた瞬間、信仰深き芸術家の集団が神の国へ向かって地球を脱出するというイメージで描かれた作品。
アメリカのファンクバンド「ミッドナイトスター」のためのアルバム、
長岡のメカニズム、宇宙的、ファンタジーと呼ばれるすべての特徴が描かれている。

長岡秀星 RECORDING ROOM 1977
1970年代はじめ、一世を風靡した英国の伝説的なバンド「ディープ・パープル」のためのアルバムカバー。
宇宙船の操縦席がレコーディングルームのミキシングボードの見えるように描いた。

 世界が認めたイラストレーター・長岡秀星の回顧展が開催される。

 長岡は1936年長崎県生まれ。武蔵野美術大学デザイン科在学中から百科事典の解説図などで才能を発揮し、多忙のため3年時で中退・独立。70年の大阪万国博覧会では展示用イラストレーションを担当する。同年に渡米。73年にカーペンターズの『Now & Then』のジャケット画を手がけたことをきっかけに注目され、幻想的ファンタジーの画風で一躍有名になると、76年に『ローリングストーン』誌で最優秀アルバムカバー賞を、77年には国際イラストレーション展で優秀賞を受賞する。

 日本でもその人気は高まり、81年にNHK特集でアメリカでの活躍が紹介され、また新宿の伊勢丹美術館で開催された「長岡秀星展」が2週間で6万人を動員。続いて85年に国際科学技術博覧会(つくば科学万博)で公式ポスターおよび政府出展パビリオン「宇宙コーナー」を担当する。90年代以降は、自身のライフワークとして長編SF小説『ANABASIS』の映画化に向け、ストーリーとイメージ画像などの製作に精力的に取り組むも、15年に逝去する。

 長岡がアメリカに渡ってから50年の節目の年に開催する本展は、宇宙・科学イラストレーションの原画と、アース・ウインド&ファイヤー『All N' All』をはじめとするアルバムジャケットの原画を合わせ、約70点で構成。気鋭のデザイナー・おおうちおさむを迎え、新しい世界感でアプローチした回顧展となる。