EXHIBITIONS

尾仲浩二「Faraway Boat」

2020.09.30 - 11.07

© Koji Onaka

 写真家・尾仲浩二の個展「Faraway Boat」がPOETIC SCAPEで開催されている。

 尾仲は1960年福岡県生まれ。82年に東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)を卒業し、以後フリーランスで活動を続けている。80〜90年代末に撮影したモノクローム作品をまとめた写真集に「boat」という言葉を冠し、その後の作品 『slow boat』(2003)、『twin boat』(2013)にも、同じくタイトルをつけてきた。

「時の流れのなかを漂う船、それが写真だと思う」と語る尾仲。その作品は人間が忘れてしまうものを記録するためではなく、撮影した時の記憶や気持ちから遠ざかり、最後には写真のみとして残る。

 本展では、20年以上に撮影された作品を収録する最近作「Faraway Boat」を展示。同名作品集のあとがきに次の言葉を寄せている。

「古い写真と言ってしまえばそれまでだが、僕にはなんとなく分かっていた。いつどこで撮ったのかはそれほど大切なことではないし、なぜ撮ったかなどどうでもいいことなのだ(尾仲浩二)」