トム・サックス「Tom Sachs: Retail Experience」

　ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、トム・サックスが小売体験すべてをフルデザインする展覧会「Tom Sachs: Retail Experience」がISETAN THE SPACE（伊勢丹新宿店本館2階）で開催されている。

　トム・サックスは1966年生まれ。身の回りにある素材を使って現代のアイコンを再現するなど、ジャンルを超越したミクストメディアによる彫刻作品を発表している。日本では、2019年に東京オペラシティ アートギャラリーで行われた初個展「トム・サックス ティーセレモニー」が記憶に新しい。

　本展は、アート作品や新作の家具とプロダクツを一堂に展示し、それらすべてが購入できるという、トム・サックスが小売の体験すべてをデザインする初の試み。本人がアイコンとも言える合板（Plywood）を使用してデザインを手がけた展示空間に、2009年制作の「月面」をテーマとした希少なチェスセットをはじめ、代表的な作品である茶碗、スペーススーツが描かれたアートピース、新作家具やバッグ、そして伊勢丹新宿店限定Tシャツや日常で使用できるノートやステッカーまで、多数のアイテムを展示・販売する。

　また会期中の9月23日〜10月13日には、伊勢丹新宿店本館の通りに面した11のウィンドウ・ディスプレイと1階中央通路が、トム・サックスの手で限定デザインに。誰もがアクセスできるように、様々な階層のアート作品やトム・サックスによってデザインされたプロダクトの展示も予定している。

　さらに関連展示として、10月2日より予約制にて実施される「Indoctrination Center」では映像作品2点を公開し、特典として複数の設問すべてに正解した来場者には、非売品のドッグタグが贈られる。