EXHIBITIONS

月乃カエル・ひらのまり展「Edge of Independent」

2020.09.25 - 10.08

メインビジュアル

 タグボート主催のアートフェス「Indepnedent Tokyo 2019」で賞を獲得した現代アーティストの月乃カエル(tagboat特別賞)と、ひらのまり(審査員特別賞)による2人展が開催される。

 月乃は1963年生まれ。「3Dアート」と称し、オリジナルのデジタルイラストに金属などの異素材を組み合わせ、アクリル樹脂でコーティングし、その上からラメやラインストーンを加えて仕上げた作品を発表している。バラバラな素材たちを重ねることで生み出される作品は、おもちゃ箱のような楽しさと、どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせる。また作品に持ち込まれる古代生物や動植物といったモチーフは、世界の多様性を表現している。

 ひらのは1987年和歌山県生まれ。「Indepnedent Tokyo 2019」では、西洋から伝わったステンドグラスと日本発祥の食品サンプル技術を融合させた独自の表現方法が評価され、多くの審査員の目を引きつけた。アパレル時代の経験とセンスが活かされた作品は、日常的な食品をモチーフとしながらも、印象はあくまでスタイリッシュさが特徴。また、無色透明で重厚感のあるステンドグラスと、大衆的なイメージの強い食品サンプルとのかけ合わせがドラマチックな対比を生み出す。そこからは、日本発の「kawaii文化」の要素をもちながらも距離を置き、客観的に物事の本質をとらえようとする作家の視点が感じられる。

 本展は今年3月の会期中に中止を余儀なくされた2人展を、満を持して再開催。透明な素材の可能性を極限まで追究した、作家ふたりによる渾身の作品が展示される。