EXHIBITIONS

鴻池朋子「Limestone / 石灰岩」

鴻池朋子 タイトル未定 ©︎ 2020 Tomato Konoike and KIDO Press, Inc. All Rights Reserved

鴻池朋子 タイトル未定 ©︎ 2020 Tomato Konoike and KIDO Press, Inc. All Rights Reserved

 絵画や彫刻、インスタレーションなどの表現を通し、「芸術」を問い直すアーティスト・鴻池朋子の個展がギャラリー キドプレスで開催される。

 鴻池は1960年秋田県生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業。旅で出会う人々の言葉や自然、またそこに棲息する生物など様々な手を借り、絵画、彫刻、アニメーション、絵本などの手法を駆使したインスタレーションによって、ものをつくる意味や芸術そのもの問い直しを試みている。現在、大規模個展「鴻池朋子 ちゅうがえり」がアーティゾン美術館で開催中(~10月25日)。また国立新美術館の企画展「古典×現代2020」(~8月24日)に参加している。

 本展では、石版石を用い伝統的な方法で制作したリトグラフ版画を発表。また、影絵灯篭作品のモチーフを再利用したコラグラフ版画作品も展示する。

「石板は硬くて重く、クレヨンで擦ってもカチカチと表面で跳ね返され、この相手とはうまく遊べませんでした。そのうち飽きて、外に出ました。外では、雪山に足跡で描き、海に浸かっては歌い、土を捏ね、木を彫り、動物の皮に描きました。そうやって地球とのびのびと遊び、疲れて帰ってきては、ギャラリーの奥の工房にある、平滑に磨かれた硬く重い石板にひっそりと向かいました。それがなぜなのかはわかりませんが、石は今までどの相手よりも硬かった、ということがひとつあるのではないかと思います(鴻池朋子)」。