EXHIBITIONS

有持有百「立つ人」展

有持有百 靴を探す人 2019 © Arimo arimochi

 別名でアニメーション作品を制作し、これまで30ヶ国以上の美術館や国際映画祭で発表してきた作家・有持有百(ありもち・ありも)。その初となる個展がGalerie LIBRAIRIE6で開催される。

 有持は1977年山口県生まれ、東京藝術大学大学院修了。これまで別名でインド・バンガロールやエストニア・タリンといったIT先進都市で作家活動をし、主にアニメーション作品を手がけてきた。第11回岡本太郎現代芸術賞特別賞を受賞。12年からエストニア芸術アカデミー客員研究員を2年間務め、比較美術史家としてアニメーションや風刺画の研究を始め、雑誌『TRANSIT』にも寄稿。こうした経験を機に絵の持つ強さを再認識し、19年からドローイング作品を描くようになった。同年の「シュルレアリスムとダリ」展(諸橋近代美術館)に参加。

 本展では、複数人で制作を行うシュルレアリスムの「優美な屍骸」という手法に着想を得た「立つ人」シリーズや、石のような丸の集積によって余白をつくることで曖昧な視点を生じさせる「Abstract Drawing」、また、20年前に描いた未発表の絵に加筆し、平面上で描くことの共存とズレをつくり出そうと試みた作品など約20点を展示する。なお作家在廊日は、7月4日、11日、12日、26日を予定。