EXHIBITIONS

大石奈穂「curve」

大石奈穂 milk pitcher 2020

大石奈穂 オリーヴ 2020

 作品を制作するときの、心の内を丁寧に表現する作家・大石奈穂の個展がギャラリーキドプレスで開催されている。

 大石は2016年に武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コースを修了し、翌年の「FACE展」(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、読売新聞社主催、2017)において優秀賞を受賞。様々なモチーフを独特の精緻な絵画表現で、見るものを不思議な世界へと誘う。

 本展では、慎ましやかに輝く新作14点を展示。精微なタッチを用いて白昼夢のように美しく不可思議な世界を描いたデビュー展「溶けないことば/Insoluble Words」(ギャラリーキドプレス、2016)から約4年ぶりとなる待望の展覧会「curve」には、自分の心に正直に添って描く、モチーフや人に寄り添って描くという意味が込められている。

「引っ越しをした窓からの光の入り方が変わり、ものの表情が新鮮に見えた部屋の中の景色と同じように私からも影が落ちたことが妙に嬉しくその光に、落ちる影に心をなぞられたような感覚になった(大石奈穂)」