EXHIBITIONS

没後15年 ─ 心の絆 ─

ロバート・ハインデル展

代官山ヒルサイドフォーラム
2020.08.18 - 08.30

ロバート・ハインデル The Wall, 1987 © R HEINDEL-ART OBSESSION INC.2020

 現代のドガとも称される画家、ロバート・ハインデルの展覧会が開催。「人間が到達できる最高の美的領域」としてダンサーを慈しみ、本番までのリハーサルに励むひた向きな人間を描き続けた、ハインデルの原画作品約60点を展示する。

 ハインデルは1938年アメリカ生オハイオ州生まれ。29歳で『Time』誌の表紙を飾り、以来、アメリカの基幹企業の広告および一流雑誌に作品を提供し、アメリカを代表するアーティストとして活躍した。79年にイラストレーターとしては最高の栄誉であるハミルトン・キング賞の受賞を機にファイン・アーティストに転身。80年代以降、バレエを描く画家として、欧米の一流バレエ団から公演前のリハーサルに招かれ取材を行い、アメリカやイギリス、オランダ、日本で作品を発表した。

 美術専門誌『ギャラリー・インターナショナル』で「現代のドガ」と称されたハインデル。そのコレクターのなかには、ダイアナ元妃やモナコのキャロライン王女がおり、高円宮殿下が愛した画家としても知られている。85年の英国ロイヤル・フェスティバル・ホールで開催された展覧会は、ダイアナ元妃とマーガレット王女を賓客に迎え、延べ30万人が来場。6週間のロングランで行われた。2005年7月、アメリカ・コネチカット州の自宅で肺気腫のため逝去。享年66歳。

 本展は、ハインデルが生前描いた約1500点の油彩作品のなかから、いまこの時見る側に、祈り、信頼、そして絆など、「New Normal(新しい日常)」の時代を迎えても変わらず、大切にしなくてはならない人間の矜持を感じ、想像させてくれる作品を厳選して展示する。 2005年に逝去した画家の没後15年に開催する本展を通して、ハインデルが伝えようとした、美しい人間の精神性と躍動を感じ取りたい。