品川亮「深海」

　un petit GARAGEの展示再開は、日本画の可能性を追求するアーティスト・品川亮による個展となった。

　品川は1987年大阪府生まれ。「アカデミックな技量とともに階層化された制度に厳密に従うことで成立し、存続してきた『日本画』によって、中断された日本の絵画の再考する」ことを念頭に、日本画の新しい方向性を模索してきた。

　その作品からは、やまと絵や琳派、狩野派の様式をはじめ、素材、思想、文様など日本美術の引用・再構成するだけでなく、近現代美術の要素も取り入れることで、いまの日本人にしか描くことのできない日本絵画をつくり出そうとする試みを見ることができる。

　本展では、これまでの作品とともに、「描くことについて」自身が抱く疑問や欲求に向き合った作品を並べ、品川の表現に共通する「深海」のイメージを見出す。