EXHIBITIONS

Families and Friends─似ている?それとも正反対?

2020.05.26 - 07.12

狩野芳崖・橋本雅邦 難波津・立田川図(双幅)

 本展は、親子、兄弟、友人同士など、芸術家同士の「関係」に焦点を当てた展覧会。狩野芳崖と橋本雅邦、高島北海とエミール・ガレの2組を中心に、それぞれに共通する特徴や違いを見比べる。

 長州(下関)生まれの芳崖と江戸生まれの橋本雅邦は、同じ日に同じ画塾へ入門。当時19歳で熱血漢だった芳崖と、12歳で温厚だった雅邦は、正反対の性格ながら生涯親友であり続けた。今回展示される双幅の作品《難波津・立田川図》は、ふたりが共同で一対の作品を制作していた様子を想像させるだろう。

 いっぽう高島北海とエミール・ガレは、国籍も表現分野も異なるが、重要なつながりを見ることができる。山口県萩市出身の高島北海は、地質学や森林学を専門とする技術官僚として勤務しているときにフランスへ留学し、そこでガレたちアール・ヌーヴォー運動を担う芸術家たちと交流。退職後は画業に専念して植物や山岳風景を描いた。北海の作品からは、アール・ヌーヴォーの画家たちとの接点を発見できるだろう。

 この2組のほか、本展では、堀研・堀晃兄弟、堀尾卓司・堀尾信夫親子など、深い関係のある芸術家同士を中心に、日本画・洋画・工芸をあわせて作品約60点を展示する。