EXHIBITIONS

小左誠一郎「UPO」

2020.06.02 - 06.20

小左誠一郎 UPO 2020 ©︎ Seiichiro Osa

 ペインターの小左誠一郎が、Yutaka Kikutake Galleryでの2年ぶりとなる個展を開催する。

 小左は1985年静岡県生まれ。2011年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了。最小限の要素からなる線や色、また「〇△□」といった根源的なモチーフを扱ういっぽう、アクション・ペインティングを思わせる奔放なストロークによって抽象絵画を手がけている。

 2018年に開催した個展に小左は「谺せよ UPO」と名づけ、不可思議でどこか懐かしい光を内包する「UPO(Unidentified Painting Object=未確認描画物体)」シリーズを発表。キャンバスとそこに図像を残す手段である絵具、そして自身の制作行為との共鳴関係を「谺せよ」という言葉に託した。

 本展ではこの「UPO」シリーズの新作を展示。ステートメントに「...答えを見つけることよりも『本当のこと』 の純度を浴びることにのみ図々しくなっていく。そのようにしてできた絵...」と記されたように、光と影を感じさせるような絵具の層の上を、縦横に伸びる筆致と窓のように象られた格子が有機的に結びつきながら動的な印象を与える、閉じることのない絵画の空間が立ち現れる。