EXHIBITIONS

収蔵作品展 戦後版画の隆盛ー深沢幸雄と池田満寿夫

2020.06.02 - 07.12

深沢幸雄 印象(美しい若者) 1997 銅版画 佐倉市立美術館蔵

池田満寿夫 楽園に死す 1965 銅版画 佐倉市立美術館蔵

 佐倉市立美術館が戦後版画に焦点を当てた収蔵作品展を開催。戦後版画の隆盛期を支えたふたりの作家、深沢幸雄(1924〜2017年)と池田満寿夫(1934〜97年)の代表的な作品を通して、銅版画の魅力を紹介する。

 1956(昭和31)年より、前衛芸術家・瑛九(1911〜60)の助言によって色彩銅版画を制作を始めた池田。当初、生活の糧を得るために始めた銅版画は、1960(昭和35)年の第2回東京国際版画ビエンナーレ展への出品をきっかけに、池田に大きな転機をもたらした。

 同展の審査委員長であり、パウル・クレーやワシリー・カンディンスキーの研究家であるヴィル・グローマン博士(1887〜1968年)が強く推薦したことにより、池田の作品が文部大臣賞を受賞。池田が文部大臣賞を受賞した時、傍らにいた深沢は後に、「全く無名の青年に光が当たった時で華やかな受賞歴の最初の光景である」と文章にしている。池田はその後、1966(昭和41)年の第33回ヴェネチア・ビエンナーレにおいては版画部門大賞を受賞した。

 本展では無名時代から交流し、ともに世界へと活躍の場を広げていった深沢と池田の活動を回顧。加えて、深沢とともに千葉県にゆかりがあり、戦後版画を代表する作家として、浜口陽三(1909〜2000)と、深沢の教え子である清原啓子(1955〜87年)の作品もあわせて展示する。