EXHIBITIONS

ミュシャ館 公式作品集出版記念展

ミュシャと挿絵の仕事~STORY~物語の世界

書籍『トリポリの姫君イルゼ(仏語版)』挿絵 1897

書籍『トリポリの姫君イルゼ(仏語版)』表紙 1897

書籍『白い象の伝説』表紙 1894

 華やかなポスターや装飾パネルで、いまも多くの人々を魅了する芸術家アルフォンス・ミュシャ。女優サラ・ベルナールに見出されて有名になる以前は挿絵画家として活動していたものの、画業初期から晩年まで挿絵の仕事を続けていたことはあまり知られていない。

 例えば、初期の傑作のひとつである書籍『白い象の伝説』の挿絵は、繊細で精緻な描写が特徴。ミュシャはデザイナーとして人気となってからも変わらず表紙や挿絵を手がけ、『トリポリの姫君イルゼ』ではその円熟した装飾デザインが全ページにわたって施されている。

 本展では、ミュシャがライフワークのように制作していた初期から晩年までの本の表紙や挿絵を通して、ミュシャの新たな一面を紹介。堺市が所蔵する書籍『白い象の伝説』の下絵すべてと、書籍『トリポリの姫君イルゼ』『クリスマスと復活祭の鐘』の全ページをパネルで展示し、挿絵ごとに物語を見ていきながら、ミュシャが生涯に渡って描き続けた挿絵作品を紹介する。