EXHIBITIONS

式場隆三郎:脳室反射鏡

2020.03.14 - 07.26

式場隆三郎著『脳室反射鏡』1939年刊(棟方志功装幀)

ゴッホ ラングロア橋(アルルの跳ね橋) 複製 式場旧蔵

河井寛次郎 三色打薬扁壺 1962頃 式場旧蔵

 幅広い大衆の関心と趣味を先導した精神科医・式場隆三郎の多彩な活動を紹介する展覧会が開催されている。

 式場は1898年新潟県生まれ。新潟医学専門学校(現・新潟大学医学部)で学ぶ。医師、そして病院経営者としての職務の傍らで、ゴッホをはじめとした芸術家の研究と普及、柳宗悦らによる木喰研究や民藝運動への参画、東京・深川に実在した奇妙な建築「二笑亭」の紹介、そしてアウトサイダー・アートの先駆的評価など、多彩な領域にわたる旺盛な啓蒙活動を通じて、大きな影響を残した。

 本展は、可視(科学)と不可視(芸術)の両極を往還した式場の特異な個性を評する言葉として、展覧会の副題を1939年出版の著書から採って「脳室反射鏡」とし、「民藝運動」「ゴッホ」「山下清」「二笑亭」をキーワードに展示を構成。約200冊や資料を公開し、式場の多彩な足跡をたどる。