EXHIBITIONS

岸田劉生展

―写実から写意へ―

2020.06.02 - 06.28

岸田劉生 支那服を着た妹照子像 1921 ひろしま美術館蔵

岸田劉生 麗子之像 1918 笠間日動美術館蔵

岸田劉生 自画像 1913 笠間日動美術館蔵

 独自の写実表現を見せた日本近代を代表する画家のひとり・岸田劉生。岸田は、白馬会絵画研究所で黒田清輝に指導を受け、また美術文芸雑誌『白樺』でポスト印象派の作品と出会い、セザンヌやゴッホらの影響を受けた作品を描いた。

 やがて、対象の内面に潜む美を追求するようになり、北方ルネサンスの画家アルブレヒト・デューラーやヤン・ファン・エイクらの作品を規範として、娘の麗子や照子を描いた魅惑的な肖像画を制作。いっぽう晩年では、独自の道を極めんと邁進し、西洋美術の影響を乗り越えるかのように、日本画や木版、装丁画などにも取り組んだ。

 本展では、没後90年経った岸田の画業を改めて振り返り、西洋美術の受容とその超克のあり方を検証。写実から写意の表現へと至る変遷を、笠間日動美術館のコレクションを中心とした風景画や静物画、肖像画、日本画、装丁画など、作品約160点を通して展観する。

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