EXHIBITIONS

門田光雅、藍嘉比沙耶

ギャルだからって入りやめてくれ 軽率なギャルはギャルをリスペクトするならやめるべき

2020.03.14 - 04.05

メインビジュアル

藍嘉比沙耶 参考画像

藍嘉比沙耶 参考画像

門田光雅 flag1 2020

門田光雅 flag3 2020

 2002年に東京造形大学を卒業して以来、色の持つ触覚的な質感を絵具から引き出し、その痕跡と鮮やかな色彩によって抽象絵画の可能性を広げてきた門田光雅。いっぽう、今年度に同大学を卒業する藍嘉比沙耶(あおかび・さや)は、自身とって原風景とも言える90年代の日本アニメを彷彿とさせるキャラクター造形をモチーフに、絵画の探求をテーマとして制作を続けている。

 世代や文脈、絵画の様式に至るまで大きく異なる門田と藍嘉比。しかし絵を描く行為が自身のアイデンティティの根幹に関わっていることでは、ふたりは共通点を持つ。
 
 本展では、門田は昨年ニューヨークでの個展を経てから、情動性と鮮烈さを増した新作を発表。門田にとって、かつての禁欲的な絵画制作は自身の精神性を覆う方法でもあったと振り返るように、色彩と作家とのより密接なやり取りを感じさせる展開となる。

 藍嘉比は、すでにアートの文脈にアニメが織り込まれている地平からの眼差をもって自身を取り巻く風景を観察。セルアニメーションの遺物とも言える象徴的なキャラクターの造形に対し、自己を投影することなく純粋にそのモチーフを解体・再構築し、新たな色とかたちを探りながら絵画特有の言語として変換してきた、現在までの試みをさかのぼりながら展示を構成する。

 両極とも言える出発点から始まったふたりの絵画が結びつく本展は、いまある絵画の可能性を問う機会となるだろう。

※新型コロナウイルスの影響を受けて、3月28日、29日は休廊。