EXHIBITIONS

操上和美「April」

操上和美 Robert Frank_New York 1992 © Kazumi Kurigami Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

 時代ごとの空気を感じさせるポートレイトを撮影してきた写真家・操上和美の個展が開催。20世紀写真の巨星、ロバート・フランクの姿をフィルムに収めた作品群を収録した写真集『April』の刊行を記念した本展では、ふたりの写真家の邂逅から北海道・富良野への旅に至る1992〜1994年のあいだに撮影された写真22点を展示する。

 操上は60年代より本格的に写真を始め、その後半世紀以上にわたって、時代を象徴する鋭い映像表現で広告界を牽引してきた。活動当初より、自らコンセプトを提案しイメージをつくり上げていた操上にとって、その行為と成果は総じて広告のジャンルにとらわれない「写真」であり、自身が生理的に反応したものを定着させた作品群には、独自の美意識と死生観を見ることができる。

 とりわけ、92年の『SWITCH』の表紙を飾ったロバート・フランクのポートレイトは当時大きな反響を呼んだ。偉大な写真家を前に、憧れや尊敬、畏れといった思いに満たされながら、操上の撮影はニューヨークにあるフランクのアトリエとノヴァスコシアの別荘への旅のなかで行われた。

 本展では、94年4月に父親を亡くしたばかりの操上が、自身の故郷・富良野にフランクを招いた旅での写真に加え、ニューヨークやカナダのノヴァスコシアなどで撮影された作品を展示。また会期中の4月24日には、葛西薫(アート・ディレクター)、 新井敏記(スイッチ・パブリッシング代表)をゲストに迎えたトークイベントをIMA CONCEPT STOREにて開催予定。

※本展は会期を6月30日~7月25日に変更して開催(当初の会期は4月10日~5月16日)。最新情報および来館にあたっての注意事項は、公式ウェブサイトにて案内。