EXHIBITIONS

大森準平「解放と構築」

大森準平 Recomposition Neo Jomon Doki - Tsubo 2019

 大森準平は1979年愛知県名古屋生まれ。京都精華大学芸術学部で陶芸を学び、ある博物館で縄文土器のなかでもより装飾的な火焔(かえん)土器を見て衝撃を受けて以来、「縄文」をテーマとした作品を制作している。

 2010年にモンブラン・ヤング・パトロネージで一般投票1位を獲得し、銀座本店にて個展開催。12年にはデンマークのレジデンスに参加し、作品がDenmark Keramik Museumに収蔵されると、同年の「ASIA WEEK NY 2012」代表としてニューヨークの新聞の一面を飾った。近年では、19年に名古屋にて個展「JOUMON 甦りと創造-resurrection & re-creation」(Gallery NAO MASAKI)を開催。同年、スイスのアート・バーゼルに出展するなど、国内外で活動している。

 アメリカから取り寄せた釉薬(ゆうやく)が用いた大森の作品は、縄文土器を現代の装飾性と鮮やかな色彩で再現し、渦巻きなど素朴な文様のほか、アルファベットを記号のように施した器面が特徴。近年では作品を割った後、色を塗り、パズルのように組み立てる方法を取り入れ、その行為には作家自身の大病、その後の手術から得た生命の再生や、自身や世界が再構築されるという経験が反映されている。

 本展では、作家自身の経験をストレートに表した作品を多数展示。また台湾出身のアーティスト、チェン- ダオ・リーの個展「Sleepless in Tokyo」を同ギャラリースペースで同時開催する。