EXHIBITIONS

尾行—不在の存在/存在の不在

2020.03.13 - 04.10

佐藤雅晴 Calling(ドイツ編、日本編)  2009-2014 / 2018 © Estate of Masaharu Sato Courtesy of KEN NAKAHASHI

佐藤雅晴 Calling(ドイツ編、日本編) 2009-2014 / 2018 © Estate of Masaharu Sato Courtesy of KEN NAKAHASHI

佐藤雅晴 TRAUM  2004-2007 © Estate of Masaharu Sato Courtesy of KEN NAKAHASHI

大垣美穂子 model of before the beginning—after the end #1 2003 © Mihoko Ogaki Courtesy of KEN NAKAHASHI

大垣美穂子 before the beginning—after the end #1 2003 © Mihoko Ogaki Courtesy of KEN NAKAHASHI

 同じ90年代にドイツのデュッセルドルフで学び、ドイツと日本でプライベート上のパートナーとしても活動をともにしたアーティストの大垣美穂子と佐藤雅晴。今回の2人展は、佐藤の1周忌にあたる時期にあわせて開催し、大垣と佐藤の作品に共通する、不在と存在や、生前と死後などの相反する要素が内包されている特徴や、作品化する対象を自分のなかに取り込み「尾行」しようとする側面に焦点を当てる。

 2013年、くも膜下出血を発症し、闘病期間を経て病を克服した大垣は、立体、インスタレーション、ドローイング、映像、パフォーマンスなど多岐にわたるメディアによって、生きること、老いること、そして死について、分自身の日々の暮らしに真摯に向き合いながら制作活動を行ってきた。

 佐藤はパソコンソフトのペンツールを用いて、ビデオカメラで撮影した実写の風景を、膨大な数の作画によりトレースしたアニメーション作品で知られ、2010年に癌を発症してからも、治療を受けながら制作を継続。19年3月に逝去するまで、生や死、絶望や希望、不在や存在ということに向き合い続けた。

 本展では、乳母車の表面をレインボービーズで埋め尽くした大垣の作品《before the beginning—after the end #1》(2003)を再構成して展示。そして佐藤の代表作のひとつ《Calling(ドイツ編、日本編)》(2009〜2014/2018)と、作家として初参加した「第4回 団・DANS ―The House―現代アートの住み心地」展の出品作《TRAUM》(2004〜2007)を組み合わせて、展示空間を構成する。

※新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、当面のあいだ臨時休廊。今後、KEN NAKAHASHIのYoutubeチャンネルなどで、展覧会風景の動画や写真を配信予定。最新情報は公式ウェブサイトまで。