EXHIBITIONS

Keith Haring: Endless

キース・ヘリング オルターピース:キリストの生涯 1990 © Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

平和Ⅰ-Ⅲ、マイ・タウン 1987 展示風景 © Keith Haring Foundation Tama City Cultural Foundation

マイ・タウン 1987 © Keith Haring Foundation Tama City Cultural Foundation

キース・ヘリング The Story of Red and Blue 1989 © Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

無題(繁殖の図) 1983 展示風景 © Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

中村キース・へリング美術館

中村キース・へリング美術館

 1990年2月16日、エイズによる合併症のため31歳でこの世を去ったキース・ヘリング。没後30年を迎えたいまもなお、世界各地で絶えず展覧会が開催され、ファッション、社会活動、エンターテイメントなど多様な場面で作品が起用されている。

 ヘリングは、78年にペンシルベニア州からニューヨークに移り、ストリートアートから瞬く間に80年代現代美術シーンで頭角を表し、その名を世界中に轟かせた。地下鉄構内の空いた広告版にチョークで描いたサブウェイドローイング、絵画、彫刻作品だけでなく、壁画制作やパブリックアート、ワークショップ、さらにアンディ・ウォーホルの勧めによるポスター制作など商業的な分野への挑戦、そして自身でデザインしたグッズを販売する《ポップショップ》まで、短い生涯のなかで多岐に及んだその活動の根底には、「アートはすべての人のために」という信念があった。

 本展では、教会の祭壇画として制作されたヘリング最期の作品《オルターピース:キリストの生涯》(1990)を中心に、初期の貴重な絵画作品《無題(男性器と女性器)》(1979)や、自身が被写体の写真1枚をもとに制作した《無題(自画像)》(1988)、作家ウィリアム・S・バロウズとの共作《アポカリプス》(1988)が展示される。

 さらに、東京都多摩市で約500名の子供たちと描いた壁画《マイ・タウン》《平和》(1987、多摩市文化財団蔵)を3年ぶりに公開。これらの作品を通して、ヘリングの芸術が時代を超えて社会へ与え続けるインパクトをひも解く。